HAMLET(ハムレット)

千駄ヶ谷の住宅地に建つ、1988年完成の集合住宅。建築家山本理顕氏による設計。
この地に古くから住んでいる家族(兄弟3人と両親の3家族4世帯)のための集合住宅です。山本氏曰く「これは建築的な解答ではなく、住み手の過激さに依存して、ほとんど偶然のように出来上がった〈集合住宅〉だと思っている。」のだそうです。でも、当時商業ビルや事務所ビルに侵食されつつある状況の中で、ここに留まることを決意した家族に必要とされる集合住宅のスタイルを追求したものだという印象受けました。過激で、今でも色褪せない形態が訴えかけてきます。
本来、「集まって住まうかたち」に標準も約束事も無いということなのだと思います。そしてきっと、施主は「To be or not to be.」と言ったに違いないのです。
今ある多くの集合住宅は、不動産事業や資産運用の一つとして建てられることが多く、さして変わらないライフスタイルに独自性を求めるためには、物質的な満足度を満たすことに力点を置いているとしか思えないような気さえします。精神的な豊かさのための生活基盤として、「ハムレット」のような集合住宅の存在は貴重なんだなぁ、と思うのでした。

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